住宅でよく見られるゴキブリのひとつがクロゴキブリです。鹿児島のような温暖な地域では、ワモンゴキブリも普通に見られます。
ゴキブリ対策で重要なのは「侵入させない」「室内で定着・繁殖させない」「増えたら駆除する」という3段階の対策です。
※クロゴキブリ・ワモンゴキブリの生態や対策は似ているため、この記事では2種類をまとめて「クロゴキブリ対策」としています。
「すでに増えつつあるゴキブリを駆除したい」という方は、「クロゴキブリが増えたと思ったら」からお読みください。
クロゴキブリ・ワモンゴキブリとは
クロゴキブリとワモンゴキブリは別の種類のゴキブリですが、鹿児島ではどちらも家屋で問題になりやすく、同じような対策が有効です。
クロゴキブリ

クロゴキブリは一般的にイメージする「いわゆるゴキブリ」で、日本の住宅でよく見られる大型の種類です。屋外(雑木林やマンホール内など)にも多く生息しており、住宅の周囲から建物内へ侵入することがあります。
ワモンゴキブリ

ワモンゴキブリも大型のゴキブリで、温暖な地域では住宅周辺や建物内で普通に見られます。ビルの地下排水槽や工場の排水処理設備など、暖かくて湿気が多い場所で大発生することがあります。
東京で仕事をしていた頃は、ワモンゴキブリは現場におらず教科書でしか見たことがありませんでしたが、鹿児島では住宅でも見かけることがあります。
クロゴキブリ・ワモンゴキブリは繁殖方法にも注意
クロゴキブリ・ワモンゴキブリは交尾していないメスが産んだ未受精卵から子が発生する「単為生殖」が確認されています。
単為生殖では通常の産卵に比べて発育がうまくいかず増えにくいようですが、室内での発生が続いてしまう可能性があります。
なお、チャバネゴキブリは生態や繁殖の特徴が大きく異なるため、クロゴキブリ・ワモンゴキブリとは分けて対策を考える必要があります。
この記事では、クロゴキブリとワモンゴキブリに共通する住宅での対策について解説します。
関連記事:住宅のチャバネゴキブリ駆除|市販品で難しい理由と根絶のポイント
クロゴキブリ対策は3段階
室内のゴキブリを駆除しても、外から繰り返し侵入してくれば再発します。そのため、駆除だけでなく侵入対策や定着防止も重要です。
対策は3種類の組み合わせ
一つの方法を完璧に実施するのは難しいので、いくつかの方法を組み合わせて、害虫による被害を抑えます。
クロゴキブリの侵入リスク
クロゴキブリ・ワモンゴキブリは、チャバネゴキブリとは異なり、外から侵入してくることが多い害虫です。
屋外環境に生息している
クロゴキブリは屋外(山野など自然環境や、マンホール内など人工的な環境)にも生息しています。
特に次のような環境は注意が必要です。
ドアや窓を閉めていても侵入する
ドアや窓を閉めていても、玄関や勝手口、サッシ、配管周辺などに隙間があれば侵入される可能性があります。
特にドアは、しっかりしたパッキンが正しく設置されていない限り、数ミリの隙間ができているケースは珍しくありません。
また、古い住宅では、建物の劣化によってひび割れができていたり、そもそも構造的に虫の出入りが容易なこともあります。
排水口にも注意

キッチンや洗面所などの排水口には、通常、水をためて害虫の侵入を抑える水封トラップがあります。
長期間使用していない排水口では水がなくなっていることがあるため、普段使わない場所も確認しましょう。
まれに「ゴミが詰まるから」という理由で水封トラップを外してしまっている方がいますが、排水管の中からは害虫や臭いだけでなく、ネズミの侵入リスクもあります。
水封トラップは必ず設置してください。
クロゴキブリの侵入対策
クロゴキブリの予防としては、最も重要な部分です。
家の周りを片付ける
生ごみを外に保管したり、雑多な物をたくさん置かず、落ち葉や雑草などもできるだけ取り除きましょう。一戸建てでは庭いじりの道具が増えてくるかもしれませんが、せめて犬走り(建屋周りの細長いスペース)はサッパリした状態を維持し、ごちゃごちゃした物はなるべく建屋から離しておくとよいです。
隙間を塞ぐ
ドアや窓の隙間をかんたんに塞ぐ道具として、スポンジやフワフワした毛がついたテープ(隙間テープ・モヘア)がホームセンターで手に入ります。
屋外用の市販毒餌剤を置く
劇的な効果は期待できませんが、たまたま寄ってきたゴキブリが、他に食べる物がなければ毒餌を食べる可能性も十分あります。
毒餌剤を使う時のポイントは、清掃して他にエサになるようなものをできるだけ除去することです。
ゴキブリが多ければ薬剤散布も検討する
住宅周辺でゴキブリを頻繁に見かける場合は、建物外周への残効性のある液体殺虫剤の散布も選択肢になります。
ゴキブリ駆除で使えて、建物外周に散布できる残効性の液体殺虫剤となると限られます。
この辺りが候補になります。ただ、いずれも業務用の薬剤で、一般の方もネットショップで購入はできますが、やや高価で量も多すぎるかもしれません。また、特にスミチオン・サフロチンは有機リン系の殺虫剤で、正しく使用・保管しないと健康被害のリスクもあります。もし使う場合はラベルを読んで使用場所や対象害虫など正しくご使用ください。
家の周辺でゴキブリの目撃頻度が高い場合、何か原因があるだろうと思います。液体殺虫剤を購入する前に、原因調査も含めて駆除業者に一度相談することをおすすめします。
アパート・マンションのクロゴキブリ対策
集合住宅では配管・配線で各部屋・各階がつながっており、どこかでゴキブリが増えると他の部屋にも影響しやすいです。
だからといって、生息状況によっては全部屋・全共用部を対象に駆除施工をしなくても、問題個所だけへの集中処置だけで大きく改善できることもあります。
まずはご相談いただき、全体的な調査を進めていきましょう。
室内に定着・繁殖してしまうリスク
外からの侵入自体は、偶発的な要素もあり完全に0にするのは困難です。
しかし、例え外から入ってきたとしても、建物内で増えなければその1匹で終わりですから、定着(繁殖)予防はとても重要です。
クロゴキブリは卵(卵鞘)から成虫になって次世代を産むまで、半年~1年ほどかかります(文献により期間に差がある)。そのため、もしすぐに卵を産まれたり、卵が持ち込まれたりしても、成虫になって繁殖するまでに猶予期間があります。それまでの間に駆除を進める必要があります。
ゴキブリの生態に関する外部リンク:鵬図商事HP ペストコントロールの基礎知識と知って得する技術ノウハウ・情報 第9回(ゴキブリについて)
定着・繁殖を防ぐ対策
隙間を塞いで営巣場所を減らす

キッチンシンク下の配管周りには隙間ができていることが多く、システムキッチンでもシンク台下の空間にゴキブリが営巣することがあります。

最近の住宅はカウンターキッチンになっていることが多いですが、古い住宅だと壁際にくっついたキッチンもよく見られます。シンク台や収納台同士の間や、壁との間に隙間があり、ゴキブリの営巣場所になりやすいです。
こうした隙間を塞ぐには、簡易的にはマスキングテープやシリコンがよいでしょう。ちょっとした補修であれば、シリコンは「バスコーク」のような少量タイプで十分です。コーキング(シリコンシーラント)は専用のガンが必要だったり、使い切れず固まってしまうことがあります。
繁殖する前に駆除する
室内でゴキブリを見つけたら、もちろんすぐ駆除すべきです。ここで言う「駆除」とは、侵入して繁殖する前の1匹を駆除することです。そのため、市販商品でも十分な効果が期待できます。
殺虫スプレーには「まちぶせ効果」をうたう商品もあり、定着予防として効果的です。
近くにゴキブリが多いスポット(ゴミ屋敷など)があるなど、侵入リスクが高い住宅では、残効性のある液体殺虫剤を定期的に処理する方法もあります。スプレーより広範囲に処理が可能です。
店舗や工場など「侵入することはあるかもしれないけど、室内では絶対に増やしたくない」という現場では、その方法で対策することも多いです。
クロゴキブリが増えたと思ったら
1匹見たら不安になる人も多いと思いますが、落ち着いて考えてみましょう。
室内で繁殖しているかの目安
次のような場合は、室内でゴキブリが増えつつある可能性があります。
ゴキブリは夜行性のため、基本的に人間の生活時間帯には隠れています。にもかかわらず、目撃頻度が高ければ、確率的に考えて生息数が増えている可能性が高くなります。
また、幼虫(特に孵化して日にちがあまり経っていない小さめの幼虫)は移動範囲が比較的狭いため、遠くではなく近くから来た、つまり外ではなく室内にいたのではないか、と疑うことができます。こういう時は、悪い方を想定して対策を進めることを推奨します。
自力でクロゴキブリを駆除する
くん煙剤を使用する
市販くん煙剤には色々な商品があり、迷うと思います。
早く強力に駆除したい場合にオススメなのは「アースレッドプロα」です。
詳細は下記関連記事にて解説していますが、有効成分を見る限りではパッケージに書かれている「効きめ最強」も納得です。
関連記事:ゴキブリ用おすすめ殺虫剤|駆除業者が有効成分で選ぶ市販品5選
くん煙剤は室内の広範囲に成分が付着しますので、商品説明書を十分に読んでご使用ください。使用後の室内の清掃を翌日に行うと駆除効果が高まります。ゴキブリは夜暗くなってから出歩きますから、成分が床などに残っていれば、くん煙時に煙が届かず生き残ったゴキブリが夜に出てきて薬剤成分に触れ、さらに駆除できるからです。ただし、ペットが家の中にいるなど、すぐに薬剤成分を洗浄する必要があれば難しいでしょう。駆除効果と安全性では、必ず安全性を優先してください。
繁殖して卵(卵鞘)を産んでいる場合、卵に殺虫剤は効かないので、卵から幼虫が孵化した後に再度使った方がよいです。卵期間はチャバネゴキブリが20日前後、クロ・ワモンゴキブリが40日前後が目安です(気温など環境により変動します)。
毒餌剤を設置する
市販の毒餌剤は各メーカー似たような商品が多く、クロゴキブリ対策として特にオススメの商品はありません。見た目や自宅での置きやすさで選んでよいと思います。
なお、缶タイプのくん煙剤にはゴキブリを追い出したり、寄せ付けにくくしたりする成分(ピレスロイド系成分)が含まれているものがほとんどで、毒餌剤を設置した後にくん煙剤を使うと、毒餌剤をゴキブリがあまり食べなくなってしまうため注意が必要です。
粘着トラップで捕獲する
誘引剤付きの粘着トラップを使ったとしても、そこに営巣しているゴキブリを全て捕まえ尽くすのはかなり難しく、捕獲は補助的な方法です。
殺虫スプレーの使用は慎重に
「ゴキジェットプロ」など市販の速効性殺虫スプレーにはくん煙剤と同じくピレスロイド系成分が入っているものが多く、うまく駆除できず逃がしてしまうと奥の方へと移動して、さらに駆除が難しくなる可能性があります。
殺虫スプレーを使っても移動・拡散されることなく駆除が進むかの見極めは難しく、目の前の一匹を殺虫するためだけに使った方がよいかもしれません。
業者にクロゴキブリ駆除を依頼する

ゴキブリが大量に発生している場合や、何度駆除しても再発する場合は、駆除業者への依頼も選択肢になります。
詳細はこちらの関連記事:ゴキブリ駆除を駆除業者に頼むと何が違う?|市販殺虫剤との違いをプロが解説
当店を含め、見積は無料としている駆除業者が多く、早めにご相談されることをおすすめします。説明を聞いて、自分でできそうだと思ったらチャレンジしてみてください。その場合、「ここまでやってみて効果が出ないようなら業者に頼もう」とデッドラインを設定しておきましょう。ずっと続けていると広範囲に広がってしまう可能性があります。
よくある質問
Q. 「ゴキブリは1匹見たら100匹いる」は本当ですか?
1匹では分かりません。外から偶発的に入ってきただけかもしれません。ただ、ゴキブリは普段は隠れているため1匹見ることさえ稀ですから、何匹も見るようなら100匹いてもおかしくないと思います。
Q. 市販の殺虫剤でゴキブリ対策をするコツはありますか?
よく効く殺虫剤を選んで小まめに使うことと、外周・室内をきれいにしておくことです。侵入自体を完全に防ぐことは難しいですが、侵入した1匹が定着する前に駆除できる可能性が高くなります。虫歯と同じで、日頃のお手入れをしっかりしていれば、歯医者さんにかからずに済みます。
Q. 駆除施工を頼んだらゴキブリはゼロになりますか?
基本的には全て駆除してゼロになるように施工します。ただし、環境によっては再発しやすかったり、薬剤処理に制限があれば生き残りが出る恐れはあります。お見積りの際にご説明いたします。なお、ゴキブリが完全にいなくなった「ゼロの証明」は難しく、捕獲調査やお客様での目撃がなくなったかなど、状況証拠の積み重ねでの効果判定となります。
Q. 部屋をきれいに清掃していてもゴキブリは出ますか?
外からの侵入はあります。ただ、部屋がきれいでエサになるものが少なければ増えにくくなり、毒餌剤を食べる確率も高くなるため駆除しやすくなります。クロゴキブリ対策として清掃は「十分条件」とまでは言えませんが、とても有効な環境的対策です。
Q. 駆除の費用はどのくらいかかりますか?
当店では、一般的な一戸建て住宅のキッチンなど室内水周りで、1回5,000円~10,000円(税込)前後です。ゴキブリが営巣しているようなら3回程度のセット施工を推奨します。各回ごとにお支払いいただき、「もう見なくなったから予定していた3回目はキャンセル」なども可能です。
まとめ
クロゴキブリ・ワモンゴキブリの住宅対策では、見つけたゴキブリを退治するだけではなく、次の3段階で考えることが重要です。
住宅街や自然環境に普通に生息している虫のため、身の回りから0にすることは難しいですが、落ち着いて考えれば十分に対策は可能です。
お早めにご相談ください
侵入経路や定着リスク箇所、室内で繁殖しているかなど、上記で解説したのはあくまで一般論となり、実際には現場によって様々です。
ご自身では分からないケースもあると思いますから、お困り事があればお早めにご相談ください。早めに対処すれば自力駆除が可能なこともあります。