スーパーマーケットはゴキブリ駆除が難しい施設
スーパーマーケットは、一般的な住宅や飲食店と比べてゴキブリ対策が難しい施設です。
売場だけを見ると清潔な印象がありますが、バックヤードには総菜・精肉・鮮魚・青果・ベーカリーなど複数の厨房・作業場があり、それぞれに水や食品を扱う設備があります。
つまり、飲食店の厨房が一つの建物に何か所もあるような環境であり、ゴキブリにとって生息しやすい条件が揃っています。
さらに、多くのスーパーマーケットでは搬入口は荷受けなどで頻繁に開放されており、スイングドアが設置されています。そのため外部からゴキブリが侵入しやすく、施設内を自由に移動できる環境になっています。
このような理由から、スーパーマーケットでは「侵入させない」ことに加えて、侵入しても定着させない管理が重要になります。
この記事の要点
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スーパー特有のリスク: 複数の作業場(惣菜・生鮮等)と開放的な搬入口により「定着」しやすい。
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点検頻度の目安: チャバネリスクの高い店舗は1〜2ヶ月に1回、ロードサイド店は2~3ヶ月に1回(夏はプラス1回)。
- 薬剤散布: 多少の侵入は想定内として、定着させないための定期散布
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自社管理のコツ: 粘着トラップの全社統一管理と、従業員向け「目撃報告ボックス」の設置。
なお、ゴキブリは種類によって対策が異なります。ゴキブリの見分け方はこちらを参考にしてください。鹿児島で問題になりやすいのはチャバネ・クロ・ワモンの3種類です。
外部リンク:東京都ペストコントロール協会HP 飲食店で見かけるゴキブリの種類
スーパーマーケットで実施したいゴキブリ対策
① 害虫駆除業者による定期管理
スーパーマーケットは管理する範囲が広く、作業場も多いため、自社だけで十分な点検を継続することは簡単ではありません。
担当者によって点検の精度にばらつきが生じやすく、問題が見逃されることもあります。
そのため、害虫駆除業者による定期的な点検・薬剤処理を実施することで、施設全体を一定の品質で管理できるようになります。
② 捕獲調査(モニタリング)でゴキブリの生息状況を把握する
ゴキブリ対策では、見かけた数だけで判断するのではなく、粘着トラップを使った捕獲調査が重要です。
1~3か月に1回は施設全体の捕獲状況を確認し、どの場所で増えているのかを把握しましょう。
捕獲数の推移を記録しておくことで、発生の兆候を早期に発見できます。
定期点検の頻度について
繫殖スピードが速いチャバネゴキブリの侵入リスクが高い繁華街や複合ビルにある店舗は、1~2か月に1回は点検が必要です。チャバネゴキブリは3か月程度で次世代が生まれてしまい、繁殖する前に駆除する必要があるからです。
チャバネゴキブリのリスクが少ないロードサイドの独立店などは、チャバネゴキブリよりも繁殖スピードが遅いクロゴキブリ・ワモンゴキブリが主な防除対象になり、3か月に1回でも大きな問題はおきにくいでしょう。薬剤によりますが、残効性薬剤の効果が大体3か月とされており、それ以上の間隔を開けると偶発的なゴキブリの侵入に対する防御力が低くなります。立地や築年数によっては、ゴキブリが活発に動く夏はプラス1回した方が安心です。
チャバネゴキブリのリスク
チャバネゴキブリは日本の冬を越えられず、鹿児島でも自然環境の中には生息していないとされています。ロードサイド店なら外からの侵入リスクはほぼありません。
飲食店ではチャバネゴキブリがビール樽など納品物に付着して持ち込まれることがあります。しかし、スーパーではチャバネゴキブリの付着リスクが高い納品物はほぼありませんから、持ち込まれるリスクは低いと考えられます。
ただし、複合ビルではバックヤード(共用部)からチャバネゴキブリがスーパーにも持ち込まれる可能性があります。ある飲食店からゴミステーションに持ち込まれたチャバネゴキブリが計量機で増え、計量機からゴミ台車を経由して他の店舗に広がったケースがあります。雑居ビル・複合ビルの共用部でゴキブリをよく見る場合、ビル管理会社に相談してみましょう。
関連記事:飲食店のゴキブリは人が持ち込んでいる!?|原因と対策・予防方法を駆除業者が解説
③ 先手を打った薬剤処理
スーパーマーケットでは搬入口などからゴキブリが侵入することを完全に防ぐことは困難です。
そのため、ゴキブリが増えてから駆除するのではなく、侵入してきた個体が施設内に定着する前に薬剤処理を行うことが重要です。
残効性のある薬剤を定期的に処理することで、生息場所の形成を防ぎやすくなります。
薬剤散布は店舗内の作業場などだけでなく、グリストラップやマンホール内なども可能であれば実施した方がよいです。
④ ゴミ置場の管理を徹底する
ゴミ置場は食品残渣や水分が多く、生ゴミの臭気もあるため、ゴキブリが集まりやすい場所です。
ゴミ容器の洗浄、床の清掃、排水の管理を行い、餌や水分をできるだけ残さないようにしましょう。
また、ゴミ置場から建物内へ侵入しやすくなるため、薬剤処理や点検も重要です。
ゴミ置場の排水系統や、生ゴミほど搬出頻度が高くないプラゴミ・不燃ゴミ袋やダンボールゴミがゴキブリの巣になっていた事例があります。
⑤ 建物の修繕
スーパーのバックヤードでは、重いカゴ台車をぶつけて壁が破損することも少なくありません。また、特に鮮魚作業場は水を大量に使うため、石こうボードのような内壁だと水で劣化し穴が開きやすいです。
壁に穴が開いてしまうと、外から侵入したゴキブリが壁内に潜伏・営巣する危険があり、破損した壁は修繕する必要があります。
自社で管理する場合のポイント
害虫駆除業者に依頼していない場合でも、日常管理を行うことでゴキブリの早期発見につながります。
各作業場とバックヤードに粘着トラップを設置する
総菜、精肉、鮮魚、ベーカリー、バックヤードなど、ゴキブリが発生しやすい場所へ粘着トラップを設置します。
人の目では見つからないゴキブリでも、トラップを使えば生息状況を把握できます。
粘着トラップはルールを決めて管理する
トラップを設置するだけでは十分ではありません。
- 設置日・点検日をトラップに記入する
- 点検日は施設全体で統一する
- 捕獲結果を一覧にまとめて比較する
各部署ごとに管理方法が異なると、施設全体の状況を把握しにくくなります。
市販の固形食毒剤は予防として使用する
ベイト剤(固形食毒剤)は、ゴキブリが大量発生してから使用するよりも、発生予防として設置する方が効果的です。
ゴキブリが潜みやすい場所へ継続して設置し、定期的に交換しましょう。
ゴキブリの目撃情報を集約する
従業員がゴキブリを見かけた場合は、その場で終わらせず、発見場所・日時・匹数を記録する仕組みを作ることが重要です。
目撃情報を集約すると、発生が集中している場所や時間帯が見えてきます。
よくある事例が、「ゴキブリが増えてから従業員に聞くと、前から目撃が多かったらしい」というものです。スーパーはパート・アルバイトさんも多く、そうした情報を報告しやすい環境を作る必要があります。『ゴキブリ目撃報告ボックス』を作ってメモを入れてもらうようにしてもよいでしょう。
目撃が増えてきたら早めに専門業者へ相談する
ゴキブリは繁殖力が非常に高く、目撃が増え始めた頃には、すでに見えない場所で数が増えていることも少なくありません。
「最近よく見かけるようになった」と感じたら、早めに害虫駆除業者へ相談し、生息調査や薬剤処理を実施することをおすすめします。
固形食毒剤やスプレー剤などの市販品だけでは、増殖したゴキブリを完全に駆除することは難しいケースが多くあります。業務用のゴキブリ駆除剤でしっかり駆除する必要があります。
関連記事:ゴキブリ駆除を駆除業者に頼むと何が違う?|市販殺虫剤との違いをプロが解説
駆除業者と契約するメリット
上記内容と重複する部分も少しありますが、次のメリットがあります。
- 各作業場やバックヤード、トイレなど店舗全体を統一して管理できる
- 業務用の強力な薬剤でゴキブリを駆除・予防できる
- ゴキブリ以外のネズミ・コバエなども同時に見てくれる
- 壁に開いた穴など、今後のリスク箇所も指摘・修繕してくれる
スーパーは作業場やバックヤードと売場の距離が近いことが多く、ゴキブリなど害虫の発生は大きな問題になりやすいです。
費用を抑えたい場合は、駆除業者に予算の上限を伝えて自社管理と組み合わせた仕様にしてみましょう。
よくある質問
駆除業者に定期点検を依頼すると費用はどのくらい?
広さや内容によりますが、小~中規模店であれば、ゴキブリの生息調査と定期薬剤散布、ネズミの簡易的な生息調査で1回10,000円前後から対応できるケースもあります。
ゴキブリの目撃が1匹あったらどうすればいい?
その1匹を駆除・捕獲できていなければ、早急な薬剤散布や捕獲強化が必要です。その1匹を駆除済みであっても、「他にもいるかもしれない」という前提で同様の処置を取った方がよいでしょう。「たまたまの1匹」かどうかを調査する必要があります。
ゴキブリが発生しやすい場所は?
温度が高くなる総菜作業場・ベーカリー、水を多く使う鮮魚作業場・青果作業場、外から入ってきやすい搬入口・ゴミ置場です。
粘着トラップにゴキブリが捕まっていなくても、毎回新品に交換すべき?
何も捕獲されていない粘着トラップを全て交換する必要はありません。ゴミなどで粘着力が落ちていないかは確認が必要です。点検日は忘れずに記入しましょう。
薬剤散布は売場にもする?
通常はしません。売場でゴキブリなどの害虫が発生することはほとんどなく、バックヤードで処置していくことが基本になります。
ゴキブリ以外の害虫対策は?
スーパーで問題になりやすいのはコバエとネズミです。コバエは捕虫器や薬剤処理・清掃で対応します。ネズミの駆除施工は、定期的な生息調査とは使用する資材や訪問頻度が大きく異なるため、定期点検とは別契約になることが一般的です。
まとめ
スーパーマーケットは搬入口から外部のゴキブリが侵入しやすく、さらに複数の食品加工エリアを持つため、ゴキブリが定着しやすい環境です。
そのため、ゴキブリ対策では「発生してから駆除する」のではなく、侵入を前提とした定着予防の管理が重要になります。
定期的な捕獲調査や薬剤処理、ゴミ置場の管理などを継続することで、大きな発生を防ぐことができます。
特に店舗全体を管理する場合は、各部門ごとの情報を集約し、施設全体の傾向を把握することが、効果的なゴキブリ管理につながります。