鹿児島の害虫駆除・害獣駆除 ベネール環境サービス

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鹿児島市天文館にある飲食店から「カ(蚊)に困っている」とご相談がありました。

雑居ビルの地下にあり、店内には確かに蚊のような虫が飛んでいるのが目立ちます。落ちていた虫の死骸を観察してみると、「チカイエカ」という蚊の仲間でした(環境機器のIさん、ありがとうございました!)

問題の虫はチカイエカだった

チカイエカとは

ビルの地下槽などで発生することが多い蚊の仲間です。人を刺して吸血することもあります。

チカイエカは吸血しなくても1度は産卵することができます。地下のマンホール内など、閉塞空間でも増えやすい特徴です。

最初は捕虫器で捕獲

チカイエカであれば、おそらくビルの地下にある槽(汚水槽・雑排槽・湧水槽など)で発生しているだろうと推察されましたが、共用部に当たる設備であることと、これまで床下は一度も開けたことがないとのことで、まずは捕虫器で捕獲して様子を見てみることにしました。

捕虫器とは

主に飛翔性昆虫を捕獲するための装置で、今回は最もオーソドックスな「紫外線ランプで虫を集めて粘着シートで捕獲するタイプを使用しました。

捕虫器イメージ画像

※画像はイメージです。実際には壁に設置せず、営業時間外だけ電源を入れて机の上などに置いていただきました。青く光っているのが紫外線を出す誘虫ランプです。

捕虫器による捕獲状況

まずテスト的に短期間設置し、捕虫器で捕獲できることが確認できてから、定期的なメンテナンスをご契約いただきました。

※紫外線の捕虫器にあまり寄ってこない虫もいるため、念のため事前テストをすることが多いです。

捕虫器で捕獲されたチカイエカなど

捕獲されたチカイエカ

「蚊も取れます」という空気清浄機

空気清浄機とセットになった「蚊も取れます」という商品をもともとお客様が設置していました。上記のような業務用の捕虫器と比べると、全くと言っていいほど捕獲されていませんでした。

蚊も取れることになっている空気清浄機

蚊も取れる空気清浄機の粘着シートの捕獲状況。10匹も捕獲されていない

もちろん業務用の捕虫器と比べても可哀そうですが、あまりの捕獲力の無さに驚きました。

ワモンゴキブリもいる

店内の厨房などに設置した粘着トラップでは、ワモンゴキブリの捕獲が目立ちました。ワモンゴキブリも排水処理設備など水分が豊富で温かい場所で増えやすいため、こちらもチカイエカと同じく地下マンホール内での発生が疑われました。

マンホール内の駆除施工

捕虫器による捕獲は続いており、夏に増加傾向になったため、原因と考えられるマンホール内の調査・駆除を実施しました。ビルの管理会社にも協力いただき、駆除の許可をもらいました。

マンホール内の状況

マンホールは2カ所あり、それぞれ汚水槽と雑排槽のようでした(古いビルのため、ビルの管理会社の担当者もよく分かっていませんでした)。

中を見ると、水中には大量のボウフラが生息していました。また、槽内の上部にはワモンゴキブリの成虫・幼虫が多数生息していました。この調査時は小さく短時間開放しただけなので、チカイエカ成虫はほとんど出てきませんでした。

床の点検口を開けるとマンホールがある

槽内の様子。水の中にはチカイエカと思われる幼虫が大量に発生していた

水中の様子拡大。白いボウフラが大量に見えた

槽の内壁にはワモンゴキブリの成虫・幼虫が大量に生息していた

地下の槽内で害虫が発生していても、それが店内に出てくる経路がなければ大きな問題にはなりにくいのですが、古いビルのため経年劣化で隙間などができていると考えられました。

本来であればそうした虫の侵入経路になる隙間なども補修・閉塞すべきですが、今回はビルの古さやお店の構造などから断念し、害虫を駆除することでお店での問題発生を抑えることにしました。「ベストでなくてもベターなら前に進もう」です。

薬剤による駆除

3種類の薬剤で駆除していきます。

  • チカイエカ幼虫:ミディ水和剤
  • チカイエカ成虫:エヤローチP
  • ワモンゴキブリ:サフロチンMC

チカイエカ幼虫に使うミディ水和剤は「IGR(昆虫成長制御剤)」と呼ばれるもので、有効成分は幼虫の脱皮を阻害する成分「ジフルベンズロン」です。水に溶かして槽内の水中に散布します。幼虫に経口摂取させることで成長を止めることができます。成虫への殺虫効果はありません。

チカイエカ成虫に使うエヤローチPは速効性のエアゾールスプレーで、有効成分は市販の「ゴキジェットプロ」と同じ「イミプロトリン」です。今回は1回目の施工では使用しませんでした。追い出し効果があり、槽内にワモンゴキブリが大量に生息している状態で使うと、追い出されたゴキブリが店内に多数出てきてしまう危険があるからです。まずゴキブリを駆除してから使います。

ワモンゴキブリに使うサフロチンMCは残効性の液体殺虫剤で、有効成分は有機リン系の「プロペタンホス」です。槽内の内壁に散布することで、その上を歩いたゴキブリを殺虫します。

薬剤選定について

専門的な話になりますが、「ミディ水和剤でチカイエカを駆除していいの?」と思った方向けに。思わなかった方はスルーしてください。

ミディ水和剤は「医薬品または医薬部外品」ではありません。チカイエカは法律上の「衛生害虫」に該当するため、ミディ水和剤の使用は適正か迷うところでした。

ただ、この雑居ビルは建築物衛生法上の「特定建築物」には該当しません。加えて、鹿児島県では特定建築物以外のビルに対してはIPMの考え方を導入することは求めていますが、(東京都などとちがい)医薬品または医薬部外品を使うことはガイドライン等で明確に定めていません。

そのため、ミディ水和剤の使用はコンプライアンス的に問題はないと判断しました。

あとは有効成分の問題で、医薬品または医薬部外品のカ用IGRはピリプロキシフェン製剤しかなく、大量発生している状況で早急に駆除するためには、幼若ホルモン攪乱剤よりも幅広い成長ステージで効くキチン合成阻害剤を使った方がよいと判断しました。

駆除施工の流れ

店内でのチカイエカの捕獲推移

捕虫器での捕獲は大きく減少しました。

下図は捕虫器での14日間での捕獲状況です。上の粘着紙2枚が駆除施工前、下の2枚が駆除施工後です。

施工前は大きな虫(チカイエカ)が大量に捕獲されていますが、施工後はチカイエカはほとんど捕獲されていないことが分かります。施工後の捕虫紙に捕獲されている小さな虫は「ノミバエ」の仲間です。

施工前と施工後の捕虫紙捕獲状況の比較

施工前の捕虫紙(拡大)

施工前に14日間設置した捕虫紙。チカイエカが500匹程度捕獲されている

施工前の捕虫紙

施工後の捕虫紙(拡大)

施工後の捕虫紙

施工後の捕虫紙

2回目の施工時の様子

チカイエカ

水中の白いボウフラはほぼ確認できないくらい減少していました。ミディ水和剤は1回の散布でかなり大きな効果がありました。ただ、1回目にすでに羽化していた個体や、サナギになっていた個体が槽内に多く残っており、マンホールのフタを開けた時にかなり出てきました。

ワモンゴキブリ

槽内にはワモンゴキブリの生きた個体はほぼいなくなっていました。水面には死骸がたくさん見られました。

2回目の施工時に槽内に浮かんでいたワモンゴキブリの死骸

薬剤施工の内容

チカイエカ幼虫用のミディ水和剤とワモンゴキブリ用のサフロチンMCは、前回と同じく処置を実施しました。

今回は槽内のゴキブリがほぼいなくなっていたため、エアゾールスプレーも使用して槽内のチカイエカ成虫も駆除しました。

3回目の施工時の様子

チカイエカ

水中のボウフラは確認できず、今回はフタを開けても成虫は飛び出してきませんでした。

ワモンゴキブリ

槽内では1匹だけ弱った個体が見られましたが、復活している様子はありませんでした。店内に配置してある床置き粘着トラップでの捕獲も大きく減少していました。

薬剤施工の内容

2回目と同様に処置を行いました。

今後の流れ

3回の薬剤施工でマンホール内のチカイエカ・ワモンゴキブリはほぼ駆除できました。

しかし、発生する環境自体を改善したわけではないため、しばらくすれば再発する可能性があります。薬剤の効果も半年も1年も持つとは思えず、特に水中に散布するミディ水和剤は、汚水の排水とともに流出されていくはずです。

今後は定期的にマンホール内の薬剤処理も継続することになりました。まずは3ヶ月に1回処置をしていきます。1回の薬剤処理でもかなり大きな効果が得られることが分かったため、毎月やる必要はなさそうです。かといって年に1~2回では店内で目立つほど増えかねないため、3ヶ月にしました。

 

概要

施工年月
2026年9月~10月
都道府県
鹿児島県
市町村
鹿児島市
建物種別
雑居ビル(地下1階店舗)
回数・作業時間
3回施工 各30分程度
施工内容
マンホール内への薬剤処理
使用薬剤・資材
ミディ水和剤、エヤローチP、サフロチンMC