お庭の植栽や街路樹としてよく見るサツキやツツジ。そこに葉っぱを食い荒らすイモムシのような虫がいました。
ルリチュウレンジ(ルリチュウレンジハバチ/学名:Arge similis)の幼虫です。
その見つけ方と対処法を解説します。
ルリチュウレンジを見つける
4月末ごろ、鹿児島市の公園でルリチュウレンジを見つけました。
鹿児島市の公園に植わっているサツキで、一部の葉っぱがなくなっていました。


怪しいと思い、近くをよく見てみると、黒いフンが落ちています。ますます怪しい…
フンの少し上を見ると、ルリチュウレンジの幼虫がいました。


5月の半ばには、同じく鹿児島市の伊敷台でも見つけました。

こちらも、よく見るとルリチュウレンジの幼虫がいました。

このように、サツキやツツジの葉っぱが部分的に無くなっている場合、ルリチュウレンジの食害に遭っている場合があります。
ルリチュウレンジとは
蝶や蛾のイモムシのように見えますが、ルリチュウレンジは「ハバチ(葉蜂)」というハチの仲間です。スズメバチのように他の虫をエサにするのではなく、幼虫は葉っぱを食べて成長します。
4月以降、年3回ほど発生すると言われており、秋までは注意が必要です。
ハチの仲間といっても、成虫・幼虫ともに毒はありません。成虫も人間を刺したりすることはなく、直接的な健康被害の心配はありません。
ハバチの中でも、ルリチュウレンジはサツキやツツジの葉っぱ・新芽を食害します。葉っぱに毛がフサフサ生えているツツジよりも、毛が少ないサツキの方が被害に遭いやすいようです。現場ではサツキでの発生を多く確認しています。
幼虫の体は緑と黒で、頭はオレンジ色をしています。植栽の中ではやや見つけにくく、葉っぱが無い箇所や、下に落ちたフンを目印に探します。
成虫は青いメタリックカラーで、美しい虫と言えます。

被害の程度は?
幼虫の発生数が多くなると被害も大きくなります。葉を食い尽くされると樹勢が弱り、枯れてしまうこともあります。
成虫が大量発生して飛び回り駆除した、というケースを1度だけ経験したことがあります。
鹿児島ではそこまでのケースは今のところ見たことはありませんが、温暖化の影響で虫の活動が活発になれば、今後はどうなるか分かりません。
ルリチュウレンジの対処法
数が少なければ、1匹ずつ箸で取り除いたり、熊手で茂みをガサガサ引っかいて幼虫を落とし、袋にいれて処分することができます。
ある程度数が増えていれば、ベニカR乳剤のような液体殺虫剤や、市販の園芸用スプレー剤でも駆除することができます。
オルトランのような浸透移行性の殺虫剤も有効です。サツキやツツジは果実を食べたりしませんから、植物の根から殺虫成分を吸収させる方法でも大きなデメリットはありません。遅効性のため、すでに増えている時には速効性の対策と合わせて使用した方がよいでしょう。
一番大事なことは、サツキやツツジの植え込みを日常的によく観察し、早期発見・早期駆除することです。
対処する時の注意点
- 植栽の中にアシナガバチやスズメバチの巣が無いことを確認する
- 殺虫剤を使う時は、周りに池や水槽がないことを確認する
5月以降は、ハバチではない狩りバチ(アシナガバチやスズメバチ)への注意が必要です。ハチに刺される植木屋さんは多く、植栽を引っかき回す前に、ハチを近くでよく見ることがないか、確認が必要です。
※ハチが頻繁に茂みを出入りしているようなら巣がある可能性が高いです。手を出さずご相談ください。
また、ベニカR乳剤のような速効性殺虫剤には、魚毒性が強いピレスロイド系成分が使われていることがあります。有効成分の特徴がよく分からない場合は、ご相談いただくか、池や河川、水槽の周りでは使わないようにしましょう。
速効性殺虫剤の一つ、トレボン乳剤は「エトフェンプロックス」という成分が使われています。速効性が高い点は通常のピレスロイド系と同じですが、デメリットだった魚毒性が低く抑えられており、野外で使用するには適しています。(※無害ではありません。水槽などには入れないように)
(なお、トレボン乳剤の適用害虫にはチュウレンジハバチの明記はありません)
まとめ
サツキ・ツツジの害虫はおそらくルリチュウレンジです。
この虫に限りませんが、数年に一度大発生することがあります。早めに発見し、早めに対処するようにしましょう。
ルリチュウレンジの詳細情報はこちらのWEBサイトでも確認できます。
外部リンク:地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 林業試験場HP
ご自身での対処が難しい場合や、よく分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。