春になると、庭木にさまざまな害虫が発生する時期になります。
今回は、鹿児島市の住宅街の庭木にいた「サクラヒラタハバチ」という虫をご紹介します。
サクラヒラタハバチを発見
5月6日、サクランボの木の枝の先端付近に、なにやら糸のように見える絡まりが、虫の巣のようになっていました。


最初は「アメリカシロヒトリかな?」と思いましたが、よく見ると様子がちがいます。

これは「サクラヒラタハバチ」という虫の幼虫で、春から初夏にかけて、サクラやサクランボ、ナナカマドなどの葉を食害します。
北は北海道から、南は鹿児島まで広い範囲に分布しています。
鹿児島では、この事例のように4~5月ごろが発生のピークになることが多いです。
「ハバチ」ということで一応ハチの仲間ですが、成虫・幼虫ともに毒針はなく、人間への直接的な危険はありません。
サクラヒラタハバチを駆除
幼虫がまとまっているので、見た目はけっこう気持ち悪いです。
しかし、まとまっていれば駆除は簡単です。

糸が巻かれている枝ごとハサミでカットし、袋に入れて処分するか、地面深く埋めるなどして、物理的に駆除します。
殺虫剤を使う必要はありません。
この時期にツバキやサザンカでよく見られるチャドクガも、幼虫が固まっている初期はこのように一網打尽にできます。※チャドクガは毒針があるため、素手や半袖での作業は危険です


今回のサクランボの木は樹高も低く、簡単に駆除することができました。
鹿児島で数年前に猛威をふるった「キオビエダシャク」とは異なり、木が一気に丸裸になるほどの広範囲の被害は稀なようです。しかし、放置しておくと見た目が大きく損なわれる可能性があります。また、お庭のサクランボの木など、毎年楽しみにしている木であれば、大事になる前に害虫は駆除しておきましょう。
殺虫剤による駆除は
殺虫剤(農薬)で駆除することもできますが、よほど広範囲に分散しているのでなければ、今回のように物理的に除去した方がよいでしょう。
葉っぱを食べる虫なので、ホームセンターでも手に入りやすい「オルトラン」のような浸透移行性の農薬でも駆除は可能ですが、次の点には注意が必要です。
- 浸透移行性の農薬は、植物が根から吸収して葉まで移行した成分を害虫が食べて死ぬ、という方法
- 使う対象の植物の果実や葉などを人間が食べる場合、収穫間近の時期は使わない(作物によって「収穫●日前まで」と決まっている)
- 家庭菜園が近い場合も、水の流れに十分注意する
スプレータイプを直接噴霧しても駆除はできますが、死骸を回収したりするのであれば、最初から枝を切ってまとめて駆除した方がよいでしょう。
まとめ
お庭のサクラやサクランボの木で、末葉に糸状に見えるものが巻かれていたら「サクラヒラタハバチ」かもしれません。
幼虫が固まって生息していれば、枝ごとハサミでカットして駆除するのが最も簡単で確実な駆除方法です。
参考ページ:外部リンク 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 林業試験場
住宅街のお庭では、スズメバチやアシナガバチに加えて、チャドクガ、イラガなど、毒のある害虫も珍しくありません。
お困りなことがあれば、お気軽にご相談ください。